押さえておきたい総合商社就活の特徴
総合商社内定への道

第1回 押さえておきたい総合商社就活の特徴

就職先人気ランキングにおいて、例年トップ10に名を連ねる総合商社。特に名門大学の学生にとっては、グローバルに活躍できることや報酬面の魅力などもあり、常に人気上位となっています。このように多くの学生が応募する総合商社の就活において、内定を勝ち取るためにはどのような準備が必要なのでしょうか。

総合商社を目指す皆さんに向けて、内定への道筋をお伝えする本シリーズ。第1回では、総合商社の魅力を改めて紐解くとともに、押さえておきたい就活の特徴を紹介します。

総合商社で働くキャリアの魅力

総合商社は世界中に拠点を持ち、グローバルなビジネスを展開しているため、入社まもなく様々な国や地域での仕事に携わる機会があります。単に海外とのやりとりが多いだけでなく、現地に出張しての商談やプロジェクト推進も任され、さらに海外子会社に赴任して経営幹部として活躍することも可能です。世界各国の文化や商習慣に触れながら、グローバルなビジネス感覚を養っていくことが若手のうちから可能と言えます。

また、総合商社では1つ1つの案件の規模が非常に大きいのが特徴です。案件によっては数千万円から数億円単位のお金を動かす場合もあり、スケールの大きな仕事に携われる点も大きな魅力となっています。

さらに、キャリアの面での特徴として、総合商社は長く活躍する方が多い傾向にあります。これは報酬面の魅力による部分も大きいでしょう。30歳前後で年収が1000万円を超えるなど高収入であり、福利厚生も手厚く非常に待遇が良いと言えます。さらに、多くのグループ企業や投資先を抱えているからこそ、経営人材として抜擢される機会も珍しくありません。

また転職市場においても、コンサル業界やPEファンドなどから高く評価されています。加えて、将来的に独立して起業したいと考える人にとっても、多くのビジネス経験が積めるほか、社内起業の機会もあるなど、総合商社は有力なステップだと言えるでしょう。

総合商社の就活で注意すべきポイント

以上のように、総合商社は非常に魅力的な環境です。一方で、魅力・人気があるということは必然的にその倍率や難度も非常に高くなっており、内定を得るために知っておくべき情報がたくさんあります。ここでは総合商社の就活で注意すべきポイントを2つ紹介しましょう。

ポイント1:事業理解が重要となる

総合商社に限った話ではありませんが、就活を行うにあたっては志望先企業の事業を理解することが必要不可欠です。総合商社の事業は「トレーディング」と「事業投資」の2つに大きく分かれ、さらに近年では「事業経営」へもビジネスを広げています。総合商社の就活においてはこの3つを押さえておくようにしましょう。

「トレーディング」はいわゆる貿易のことで、総合商社の祖業でもあります。製品を売りたい企業と、買いたい企業の取引を仲介し、対価として仲介手数料や、仕入額と販売額の差益を得るビジネスモデルです。以前の総合商社はトレーディングが中心でしたが、時代の流れとともに商社を介さない取引が増加したことで、「事業投資」にシフトし始めました。

「事業投資」では、豊富な資金力をもとに有望な企業へ出資します。さらにヒトやノウハウなどの経営資源も提供し、投資先のビジネスを成長させ、投資のリターン拡大も狙うのです。加えて幅広い企業に投資することで、ビジネスの相乗効果(シナジー)も目指しています。たとえば投資先のコンビニで販売する食品の製造元にも出資し、両社の収益拡大を図るイメージです。

さらに近年、総合商社が注力しているのが「事業経営」です。事業投資にとどまらず、投資先に総合商社の人材を派遣し、経営改善やビジネス成長を主導しています。これには社内で経営人材の育成が必要不可欠となります。そのため、たとえば住友商事では『事業経営者養成塾』といったプログラムを開設するなど、各社が経営人材の育成に力を入れています。

「総合商社の事業内容」の図表

ポイント2:人物面が重視される

総合商社の面接では他業界と比べても、人間性や人柄を確認する質問が多いと言われています。その理由は、総合商社の事業において長期的な信頼関係の構築が必要不可欠だからです。また、社内外の調整や交渉も非常に多く、文化的背景が全く違う人たちともスムーズに仕事できることが求められます。

そのため面接においては、知識や専門性よりも「どのように物事に取り組むのか」「他者と良好な関係を築けるか」「難しい状況でも円滑にコミュニケーションを取れるか」といった面が問われるのです。

「商社就活の面接での深堀り例」の図表

こうした問いに対して、「何とか頑張りました」「非常に良い経験になりました」といった表面上の回答ではなく、しっかり考えて物事に取り組み、諦めずやり遂げ、その経験を活かそうとする姿勢が重要なのです。

そのためには、これまでの経験の棚卸しを行う際、「どのような課題に直面し」「どう乗り越えたのか」といった詳細なエピソードまで語れるように準備しておきましょう。

次回は総合商社の就活スケジュールと、企業ごとの募集時期について解説します。総合商社は各社で選考時期や内容が異なります。スケジュールと時期を予め個別に把握しておくことで、就活をスムーズに進めることができるでしょう。

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著者プロフィール
CareerPod編集部
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自分の好きを見つける『スロー就活』で、理想のキャリアを歩もう。 あたらしい就活サイト「CareerPod」の編集チームです。

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