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東京藝術大学卒業後、ジェミニ・コンサルティング(ブーズ・アンド・カンパニー、現Strategy&)にて経営コンサルタントを経験。 その後、不動産投資信託(REIT)会社であるジャパン・リート・アドバイザーズにおける不動産の取得・運用業務を経て、2009年12月にプロレド・パートナーズを創業。
プロレド・パートナーズは2009年創業のコンサルティングファームです。 “Professional”と“Red”を組み合わせた社名の通り、「常にプロフェッショナルかつ情熱的な集団」であることを目指し、画期的なチャレンジを続けています。
特に直近では「成功報酬型」という新たな取り組みが注目されています。同領域において、外資戦略ファームに匹敵する水準の報酬で新卒採用を強化されるということで、代表取締役の佐谷進さんに詳細を伺いました。
東京藝術大学卒業後、ジェミニ・コンサルティング(ブーズ・アンド・カンパニー、現Strategy&)にて経営コンサルタントを経験。 その後、不動産投資信託(REIT)会社であるジャパン・リート・アドバイザーズにおける不動産の取得・運用業務を経て、2009年12月にプロレド・パートナーズを創業。
CareerPod編集部:
はじめにご経歴についてお聞かせください。東京藝術大学卒ということで、アートの道に進む方が多い印象ですが、なぜ外資系戦略コンサルティングファームに進まれたのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
私も当初はアーティスト志望でした。ただ、大学3年の頃、ある先輩から「長時間働いても月給は30万円ほど」という話を聞いて、「アーティストが生み出す価値と、その対価があまりに乖離している」と感じました。
アーティストが、価値に見合った対価を得られるよう、ビジネスの観点から業界を変えたい――そんな想いがあって、コンサルティングファームに進むことを決めました。この「価値に見合った対価」という想いは、プロレド・パートナーズの創業にも繋がっています。
CareerPod編集部:
そんなきっかけがあったのですね。それでは入社後に関わられたプロジェクトについてもお教えください。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
メガバンク向けのマーケティング支援や、大手プラントエンジニアリングの業務改善など、幅広いテーマに関わりました。
中でも経済産業省から依頼された、経営者に関する調査のプロジェクトでは、多くの経営者のお話を直接伺うことができて印象的でしたね。そのうちのお一方とは調査後も懇意にさせていただき、プロレド・パートナーズ創業の際にも、最初にクライアントとなり、ご依頼いただきました。
CareerPod編集部:
経営者のお話を多く聞けるのは面白そうですね。そこからなぜ不動産業界に転身されたのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
プロジェクトを経て戦略の提案をしても、クライアントが実行をしないこともあり、もどかしさがありました。また報酬は固定であり、成果に連動して報酬が得られる形ではありません。
自身がビジネスを動かす側となり、「価値に見合った対価」を得たいと考えたこと、また大学での専攻が建築で、領域に親和性もあったことから、不動産ファンドへのチャレンジを決意しました。オフィスやホテルといった不動産への投資業務だけでなく、その後の運用も担当することができ、良い経験になりました。
CareerPod編集部:
貴重な経験を積まれる中で、なぜ起業を考えられたのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん
やりがいを感じる一方で、既にでき上がった建物や不動産などをビジネスの対象とするより、自分達で変えられる経営コンサルティングに改めて魅力を感じ始めました。
ちょうどその頃、先ほどの経営者の方から、「コンサルタントに依頼しても、経営が良くならない」という相談があったのです。そこで私は不動産での経験から、「ビジネスで成果が出た時に報酬を払う形式」が面白いのではと思いつきました。
しかし、そんなコンサルティングファームは存在しなかったため、「ぜひ成果報酬の形で支援して欲しい」とご依頼いただいたのです。もともと起業自体にも関心があったため、新たな形のコンサルティングにチャレンジしようと起業に踏み切りました。
CareerPod編集部:
起業について関心のある学生も多いと思いますが、コンサルタントや不動産ファンドでの経験は役に立ったでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
かなり役立ちましたね。具体的にはコンサルタント時代に学んだビジネスの基礎スキルやコミュニケーション、不動産ファンドで大きな金額を扱う中で培った責任感やプロフェッショナルとしての姿勢などです。
私は34歳で起業をしましたが、遅いとは感じていません。新卒は就職先の選択肢がかなり多いですし、自分の志向に合う会社で経験を積んでから起業しても良いのではないでしょうか。
CareerPod編集部:
ここからはプロレド・パートナーズの事業について伺いたいと思います。まずは起業のきっかけとなった「成果報酬型のコンサルティング」について、詳しくお教えください。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
成果報酬型のコンサルティングで主に手掛けたのは「コスト削減」でした。一般的なコンサルティングでも、人件費や物流コストの見直しなどを支援しますが、その際は「あらかじめコンサルティングフィーをいただいた上で、コスト削減に向けた施策を提案する」というビジネスモデルです。
しかし、私たちはコスト削減の施策を実行する際のサポートも行った上で、「実際に削減できた金額の一部をいただく」というモデルにしました。
CareerPod編集部:
今までにない取り組みだったと思いますが、最初からうまくいったのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
当初はプロジェクトが始まっても報酬が発生するまで1~2年かかり、苦労することが多かったですね。そんな中で、これまで3つのターニングポイントがあり、会社として成長できたと言えます。
1つ目は「PEファンドとの案件」です。あるPEが大手外食チェーンに投資をし、経営改善の一環としてコスト削減策を複数検討していました。そこでプロレド・パートナーズが一部のプロジェクトで他のファームを大きく上回るコスト削減を実現し、他の大部分の案件を獲得できたのです。その後もPEから継続的に依頼されることになり、コスト削減コンサルティングが軌道に乗りました。
2つ目は「上場」です。事業が成長し、外資戦略出身などのメンバーも増強した2016年、上場を目指すことを決めました。ただ、当時の売上は5億円程度で、「不可能だ」と言われました。しかし事業拡大に邁進した結果、2018年には売上が16億円(営利6億円)に到達し、東証マザーズ(現・グロース)への上場を果たしたのです。
CareerPod編集部 :
2年間で3倍以上の伸びとは凄いですね!そこから新たに迎えたターニングポイントは何だったのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
それは「事業領域の拡大」です。プロレド・パートナーズの使命は「企業を良くすること」で、その1つの軸が成果報酬型のコンサルティングでした。一方で、より専門的な領域については補強が必要になります。その一環として、国や自治体向けに環境関連のコンサルティングを行う知識経営研究所(現・ナレッジリーン)にグループとしてジョインしてもらいました。
またコンサルティングファームとして戦略の立案や業務の改善を支援するだけでなく、外部から企業へ投資し、株主となった上で大きな変革を促す形もとりたいと考え、PEファンドのブルパス・キャピタルを立ち上げました。業界で初めて、創業メンバーがコンサルタント出身者のみでしたが、国内PEの中でも最高水準のリターンを実現しています。
CareerPod編集部:
これまでの事業展開に加え、直近は大企業向けのコンサルティングも強化されていると伺っています。詳細を教えていただけますでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
その通り、大企業向けのコンサルティングに注力しています。新卒採用の方も、基本的に全員がこの領域に関わる想定です。
具体的には、2023年に「ストラテジー&ハンズオン(S&H)セクター」という部門を立ち上げました。売上数兆円クラスの大企業に対して、戦略立案から実行面まで支援します。2024年にはデジタル面の支援を強化すべく、「デジタル&ハンズオン(D&H)セクター」も設立しています。
最大の特徴は“成功”報酬型のコンサルだという点です。従来のコンサルティングでは、プロジェクトを始める際に、「3か月で課題の洗い出しから改善策の立案まで、5名のコンサルタントが参加し、コンサルティングフィーは~万円」といった取り決めをします。
一方で成功報酬型では、最初の1~2か月を「見極めフェーズ」として、無償でコンサルティングをします。上記の例だと、この期間で課題の洗い出しができるイメージです。その上で課題の解決に向けたプロジェクトを有償で提案する流れになるので、クライアントにとって納得感があり、かつ成果の見込める内容になると言えます。
CareerPod編集部:
サブスクなどの「無料トライアル」にも近い印象です。実際にクライアントの反応はどうでしたか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
正直なところ、当初は無償期間で終わる例も少なくありませんでしたが、試行錯誤を重ね、収益性が高まりました。
特に評価されたポイントは2つです。1つは、「課題が漠然とした段階から相談できる」という点です。一般的なコンサルティングは有償で期間も限られるため、「営業の見直し」など、ある程度テーマを絞ってからプロジェクトを始めます。一方で我々の場合は無償期間があることで、「何となく事業が上手くいっていない」という段階で相談が可能なのです。
もう1つですが、通常のコンサルティングファームに依頼すると、有償のプロジェクトが開始するまで、参加するコンサルタントが誰であるかすら分かりません。プロレド・パートナーズは、誰がプロジェクトにジョインするかわかるだけでなく、無償期間からクライアント先に常駐するので、コンサルタントの能力や人柄が分かった状態でプロジェクトを開始できるという面でも安心感があるようです。
CareerPod編集部:
画期的な取り組みですね。なぜ、このようなスタイルを始めたのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
一言で言えば、「コンサルティング業界を変えたい」という想いからです。我々が1社で規模を大きくしても、日本経済に与えるインパクトは限られます。一方でコンサルティング業界全体が良い方向に変われば、意義が大きいでしょう。
業界の現状として、クライアントが支払うフィーが高騰しています。「価値に見合った対価」となっていない面もあると思っており、無償期間を含めた成功報酬型であれば、業界の抱える色々な課題を改善できるはずです。
CareerPod編集部:
素晴らしいと思います。実際のプロジェクトはどんな内容が多いのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
新規事業の立ち上げ支援が増えており、現在進行形の事例として、大手金融企業向けの事業立ち上げの案件があります。コロナ禍の収束に伴い訪日観光客が増加する中で、インバウンド需要を取り込んだ新たなビジネスを検討したいという相談です。
この案件では、まず無償期間でビジネスの大枠を設計しました。現在も有償として継続中で、海外事例の調査や観光客へのインタビューなどを通じて潜在ニーズを明らかにした上で、収益性なども考慮し、ビジネスの構想を固めていく予定です。
この構想策定には半年を見込んでいて、クライアントが今後、ある程度自力で事業化をできるよう、ノウハウを定着させることも目指しています。さらに構想がまとまった後、そのビジネスを実行するための支援も継続する想定です。
CareerPod編集部:
事例をお聞きすると、プロレドは単なる戦略立案だけでなく、それが実行されるまでの支援を重視している印象です。多くのファームも「実行支援」を謳っていますが、実行面での強みについて伺えますでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
確かに実行支援は重要です。たとえば楽器のレッスンにおいて、楽譜だけ用意しても演奏はできず、しっかり練習をサポートする必要があります。この部分が「実行支援」のイメージです。我々は創業時から成果報酬型で取り組み、実際に成果が出るまで支援をしてきたので、実行支援の経験が豊富と言えます。
また、実行の段階で特に重要なのは「コミュニケーション」です。部下のマネジメント、クライアントとの関係構築など、コミュニケーションの質と量で成果が変わります。我々は無償期間からクライアントとの接点が多く、その後も長期的に支援を行うので、時間をかけた深いコミュニケーションが可能です。
さらにこの「コミュニケーション」は、社内での教育においても活かされており、それ故に質の高いコンサルタントが揃っているという面もあります。
CareerPod編集部:
興味深いです。教育における特徴についても教えていただけますでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
学校や塾でも、優秀な先生につきっきりで指導されると、子供は大きく成長しますよね。プロレド・パートナーズも同様で、若手のコンサルタントをかなり手厚くフォローします。
具体的には、プロジェクトごとの体制に違いがあります。大手ファームだと1つのプロジェクトにおいて、マネージャー以上が数名に対して若手が10名参加することもあり、そうすると1人あたりのサポートは手薄になりがちです。
一方でプロレド・パートナーズでは、若手よりもマネージャー以上の人数が多いプロジェクトも少なくありません。また、戦略系や総合系コンサルティングファームで実績のある優秀なマネージャー以上の層が多く参画しています。そのため、優秀な上司の下でマンツーマンに近い形で指導されることになり、短期的での成長が可能です。
CareerPod編集部:
よく分かりました。そうすると早くからマネージャーに昇格する方もいると思いますが、他にも活躍に応じてキャリアの可能性はあるのでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
幅広いキャリアパスがあるとお考え下さい。実際に、新卒でコスト削減コンサルタントとして入社してからグループ会社に転籍したメンバーや、S&Hセクターから組織人事コンサルティングのチームに異動した事例があります。
また、プロレド・パートナーズとしても新たな取り組みを考えていて、たとえば大企業と共同でのジョイントベンチャーの設立や、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)などを検討しています。そうした新たなビジネス展開にもぜひ関わってもらいたいですね。
CareerPod編集部:
更なるビジネス展開もあるのですね。これまでのお話から、「チャレンジ」というのがプロレド・パートナーズのキーワードの1つではないかと感じました。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
おっしゃる通り、チャレンジをし続けるファームと言えるでしょうね。それがコンサルティング業界の変革にも繋がると信じています。
また、失敗を許容するカルチャーもあることもお伝えしたいです。実はプロレド・パートナーズの事業でも失敗例がありました。10億円以上を投資してプロダクトを開発したのですが、業績が行き詰まり、最終的には事業を売却するに至りました。
一方で事業売却の経験自体は貴重であり、今後のビジネスに活かしたいです。「失敗してもまたチャレンジできる」というのがプロレドの良さだと思っています。
CareerPod編集部:
プロレド・パートナーズの考え方や環境について良く分かりました。加えて待遇や働き方についても伺えますでしょうか。特にプロレド・パートナーズが「価値に見合った対価」を重視するということで、待遇面についてお聞きしたいです。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
新卒の年収は500万円~700万円ほどで、大手戦略系コンサルティングファームにも引けを取らない水準かと思います。もちろん入社後に成果を出せば、スピーディに昇格・昇給が可能です。これまでにも30歳でパートナーの手前まで昇格した事例があります。
CareerPod編集部:
報酬面でも魅力がありますね。特に成長志向の方だとやりがいがありそうです。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
そうですね、成果を出すことに全力で取り組んでいただける方はフィットすると思います。一方、働き方という点について、必ずしもハードワーク重視というわけでもありません。たとえば産休・育休からの復帰率は高いですし、働き方の希望などあれば柔軟に受け入れています。
CareerPod編集部:
ちなみにプロレド・パートナーズでは、クライアント先のオフィスに常駐することも多いかと思います。そうなるとやはりハードなイメージですが、日々の働き方はどうでしょうか。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
実は「常駐=ハードワーク」ということではないと考えています。そもそもコロナ禍以降、クライアント側でリモートワークが増え、我々が常駐する日数は少なくなっています。また、いわゆる働き方改革もあり、クライアントの残業時間が減っているので、我々がそれより遅くまで残るということはできません。
もちろんクライアントの成果に責任を持つ立場であり、決して楽ではないですが、かつてのような肉体的にも精神的にもすり減る環境とは違うとお考えください。
CareerPod編集部:
働き方についてもよく理解ができました。これまでのお話で、プロレド・パートナーズに関心を持つ学生も多いと思います。そうした方々にぜひメッセージをお願いしたいです。
プロレド・パートナーズ 佐谷さん:
プロレド・パートナーズはコンサルティング業界を変え、コンサルティング業界全体で、企業や社会を良くしたいと本気で考えています。そのため、「日本の経済を良くしたい」「社会を変えたい」という想いの強い方にはぜひ入社していただきたいです。
また、成長意欲が高く、「自分がやったことを成果に繋げたい」と考えている方もフィットすると思います。その意味では、将来的に起業を考えている方も歓迎です。新規事業のプロジェクトも多数ありますし、良いビジネスを思いついた際には、社内での事業立ち上げも可能です。
何か成し遂げたい想いのある方には、様々な環境を提供しながら、その実現をサポートしたいと思っています。我々の考えや取り組みに少しでもご関心があれば、ぜひお会いしたいですね。
CareerPod編集部:
本日はありがとうございました!
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