ケース面接の出題例と対策方法
ケース面接対策道場

第2回 ケース面接の出題例と対策方法

第1回では、ケース面接が行なわれる目的や評価ポイントについて整理しました。ケース面接では様々なテーマが出題され、面接官とのディスカッションもクリアする必要があるため、しっかりとした準備が不可欠です。そこで今回は実際に出題されるパターンや、具体的な対策方法についてお伝えしていきます。

ケース面接の出題例

ケース面接の出題テーマについては、ファームとして使用するテーマを決めている場合もありますが、面接官がその場の流れで出題することが多いです。「~さんの趣味は?」という質問から入り、その趣味に関して出題される形式などがよく見られます。

趣味のほか、部活やアルバイトなど、大学で注力していることやESに書いてある内容については聞かれやすいので、事前に準備しておくことをお薦めします。

(戦略ファーム マネージャー 30代前半)

そのため、出題されるテーマは無限に存在することになりますが、出題頻度の高いパターンは以下の4つです。

「ケース面接のパターン」の図表

タイプ1:フェルミ推定

1つ目は「フェルミ推定」です。フェルミ推定とは、調査や実測をすることが難しい数値について、論理的に思考をしながら概算する形式のケースです。「日本にある電柱の本数は?」「日本にあるハンバーガーショップの数は?」といったタイプの問題となります。

ケース面接の中でもシンプルな出題形式であり、出題頻度は高いです。また、推計した数値をもとに、後述のビジネスケースを議論する流れも多くなっています。

出題されるテーマとしては、電柱のように何らかモノの数を扱うほか、「ミネラルウォーターの市場規模は?」「ある映画館の1か月の売上はいくらか?」など、ビジネス的な数値の推定も頻出となります。

なお、「フェルミ推定は面接だけで使用され、実用的でない」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実際のプロジェクトにおいてもこの思考法は多用されるのです。

ある戦略コンサルファームが、製薬会社の売上拡大プロジェクトを行なったときのことです。その製薬会社には、新たに売り出す予定の医薬品があり、売上予測が必要でした。しかし、この医薬品は希少な疾患向けということもあり、参考になるデータが存在しません。

そのため、「対象となる患者の中で、実際に処方される割合」など世の中に存在しない数値について、まさにフェルミ推定を行いながらプロジェクトを進めました。このように、フェルミ推定は実際のプロジェクトでも活用される、大切な思考法なのです。

実際のプロジェクトでは、推定後に市場調査や専門家インタビューなどを通じて、より精度の高い数値に仕上げる作業が発生します。そのため、面接においても「この数値の正確性を高めるにはどんな調査が必要か」などと聞かれることもあります。

(戦略ファーム コンサルタント 20代後半)

タイプ2:ビジネス系ケース

2つ目は「ビジネス系ケース」です。企業が抱えるビジネス上の課題を解決することが求められ、「売上向上」や「客数増加」などのテーマが多くなります。たとえば、「新宿駅近くのスターバックス1店舗の売上を増やすには?」「新潟県のとあるスキー場の客数を増やすには?」「〇〇社の社長だったら何をするか?」といった内容です。

ビジネス系ケースの出題方法として、いきなり売上向上策などが問われる場合もありますが、前述の通りフェルミ推定を行った上で、その推定結果に基づき検討するというパターンが多いです。

なお、この検討プロセスは、実際のプロジェクトでも用いられます。フェルミ推定の事例で挙げた製薬会社のプロジェクトにおいても、医薬品の売上推計を行った上で、推計値よりもさらに売上を高めるための戦略を検討しました。

ビジネス系ケースにおいて重視されるのはアイデアの独創性や奇抜さではありません。どんなに筋の良さそうなアイデアが出たとしても、思いつきで回答したのであれば評価されないでしょう。テーマとなっている店舗や企業の現状について整理した上で、想定される課題に対する解決策を筋道立てて検討することが求められます。

タイプ3:公共系ケース

3つ目は「公共系ケース」です。ビジネスの文脈ではなく、公共性の高いテーマで議論を行うパターンで、「日本の犯罪を減らすには?」「移民の受け入れに賛成か?」というような出題がされます。ビジネス系に比べて頻度はやや低くなりますが、一部の戦略ファームでは好んで出題されているようです。

公共系ケースは、テーマが社会的で抽象度が高いため、難しく感じる方も多いかもしれません。しかしながら、論理的に筋道立てて考える点ではビジネス系と共通する面が多く、ビジネス系のケースに慣れた後で対策することをお薦めします。

タイプ4:抽象系ケース

そして4つ目は「抽象系ケース」です。この形式では、明確な問題解決を行うのではなく、あいまいな言葉の定義などを問われます。出題例としては「幸せとは何か?」「真のプロフェッショナルとは?」などです。

ビジネス系や公共系ともスタイルが異なり、取り組みづらい印象が強いのではないでしょうか。その分、思いつきの回答になりがちですが、重視されるポイントは他パターンと共通しています。出題頻度も以前に比べて高まっているようなので、しっかり対策をして臨みましょう。

対策の進め方

これまでご紹介の通り、ケース面接は様々なパターンが出題され、どれも難度が高いです。そのため、なるべく早いタイミングから対策を行うことをお薦めします。具体的には、遅くとも夏選考が本格化する3年生の4月まで、可能であれば2年生の冬から開始したほうが良いでしょう。

具体的な対策の進め方としては以下の4ステップとなります。

「対策の進め方」の図表

ステップ1:ケース面接の基本を知る

まずはケース面接対策用の書籍を1冊読みましょう。各パターンの出題例や、基本的な考え方など、ケース面接の概要を掴んでください。なお、あくまでケース面接についておおよその理解が出来ればよく、この段階で時間をかけて問題を解く必要はありません。

また、戦略コンサルティングファーム各社のWebサイトについてもチェックしましょう。BCGなど一部のファームでは、サイト上で具体的な対策方法や意識すべき点を紹介しています。各社がケース面接で重視しているポイントも分かりますので、選考前に必ず確認しましょう。

加えて、ケース面接で必須となる「論理的思考」について、基本を正しく習得しておいた方が良いでしょう。そのため、問題解決や論理的思考に関する入門書を読むことをお薦めします。

ステップ2:必要な知識を補う

ケース面接は知識が前提のテストとは異なり、思考力や粘り強さが重視されます。他方、あくまで経営課題を扱うコンサルティングファームの選考を受けるという意味で、ビジネス上の基礎知識はある程度必要になります。

たとえばビジネス系ケースにおいて、「利益向上策」が問われた場合、「コスト」に関する基本的な知識がないと回答が難しいでしょう。さらに、さまざまなビジネス事例を知っておくと、具体的な解決策を思いつきやすくなります。

このように、フェルミ推定やビジネス系ケースでは、ビジネス上の基礎知識が一定求められるため、いくつかビジネス関連の入門書を読んでおくと良いでしょう。ただし、この段階ですべての知識を網羅する必要はありません。まずはステップ1の書籍を読んでおいて、ケース問題を解きながら不足するビジネス知識を補う形でも良いかと思います。

ステップ3:ケース問題を解いて、慣れる

ここまで習得した基礎知識も踏まえて、実際のケース問題を解いていきます。まずはケース対策の書籍、具体的には問題掲載数の多い「東大ケーススタディ研究会」の2冊を活用しましょう。ただし、回答例は参考にする程度にしてください。あくまで「自分ならどう答えるか」という視点を持つことが大切です。

また、「CareerPod」の会員登録をして頂いた方は、ケースの演習問題と回答例をご利用いただくことが可能です。様々な出題パターンについて、具体的な回答法を解説していますので、そちらもぜひご活用ください。

ステップ4:知人・友人と練習をする

ケース面接では「ディスカッションパートナーとしてふさわしいかどうか」が判断されます。そのため、「面接官からの質問にどう対応するか」という点が非常に重要です。

一人で黙々と問題を解くだけでは、いつまで経っても上達はしません。練習相手を見つけて、実践的にやりとりすることが大切です。知人や先輩にケース面接の経験者や合格者がいれば、協力してもらうことをお薦めします。

もし、周囲に経験者がいない場合は、就活仲間同士で協力し合い、ディスカッションの練習をするのが良いでしょう。自分で面接官役を担うことで、面接官の気にするポイントへの理解が深まるという利点もあります。


今回はケース面接で頻出の出題パターンを整理し、対策の具体的な進め方について紹介しました。次回以降、出題パターン別の回答法について解説していきます。

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著者プロフィール
西谷 有生
CareerPod編集部
西谷 有生
コンコードエグゼクティブグループ|マネージングディレクター
新卒で外資戦略ファームのBooz & Company(現Strategy&)に入社以降、戦略コンサルを4年半経験。前職リクルート社にてケース面接対策セミナーの講師を担当。現職コンコードでも外資系を中心に戦略ファームへの転職支援で豊富な実績を残す。

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