投資銀行の仕事とは?魅力ややりがいを解説
投資銀行業界の歩き方

第1回 投資銀行の仕事とは?魅力ややりがいを解説

「ゴールドマン・サックス」「モルガン・スタンレー」…有名大学の皆さんであれば、一度は聞いたことがある社名でしょう。六本木や大手町など一等地に本社を構え、高い報酬などで知られているこれらの企業は「投資銀行」と呼ばれています。東京大学や京都大学をはじめ、有名大学の出身者が多く在籍しており、皆さんの先輩たちに人気の就職先の1つです。

しかし、「投資銀行」という言葉を聞いたことがあったとしても、具体的にどのような仕事をしているか知っているという人は多くはありません。「激務だけど年収が高い」「入社しづらい」などのように、投資銀行に対して漠然としたイメージを持っている人がほとんどなのではないでしょうか。

この記事では、実際に投資銀行に勤務経験がある人の話に基づいて、外資系の投資銀行を中心に、その役割、魅力ややりがいなどについて紹介します。

投資銀行とは

投資銀行とは、経営・財務の面から企業の価値を向上させるサポートをする金融機関です。

具体的に説明しましょう。企業の経営には資金が必要です。商品の仕入れにも、人の採用にも、工場の建設にも、すべて元手となる資金が必要となります。そのため、資金がなくなると、日々の事業が回らなくなり、最終的に倒産してしまうのです。逆に、資金が多くなれば、新しい機械を仕入れたり、より多くの人を雇ったりして、企業活動を充実させることができます。そこで、企業が必要としている額の資金を調達し、今ある資金を増やすためのサポートをしているのが投資銀行です。

例えば、企業が別の企業を買収することで既存事業の売上を伸ばし、さらに利益を上げようと考えることがあります。投資銀行は、そのような計画を立てている企業に対して、どのタイミングで、どの企業を、いくらで買収するのが最適かといった提案を行い、実際に買収の仲介を担います。

投資銀行の収益源は、企業の資金調達を支援した際の手数料です。したがって、企業に直接お金を融資することはありません。

「投資銀行のビジネスモデル」のイラスト

投資銀行の顧客は、日本や世界を代表する大手企業であるケースがほとんどです。そうした企業の買収や経営資金の調達となると、必然的に巨額のお金が動くことになります。場合によっては、自分が手掛けた仕事が新聞紙面やネットニュースを賑わすような機会もあり、世間にインパクトを与えることにやりがいを感じられるでしょう。

投資銀行と商業銀行、証券会社の違い

投資銀行は、名前に「銀行」という言葉が入っていますが、銀行ではありません。三菱UFJ銀行や三井住友銀行といった「商業銀行」としての銀行とは性質が異なります。商業銀行は個人や企業のお金を預かり、それを元手としてお金が必要な人や企業へ貸し出しを行う金融機関です。一方で、投資銀行は、お金の預かりや貸し出しは行いません。

それでは、銀行ではない投資銀行が、投資「銀行」と呼ばれるのはなぜでしょうか。これは、アメリカでは経営・財務の面から企業の価値向上をサポートする金融機関を「Investment Bank(インベストメント・バンク)」と呼ぶことに由来しています。直訳すると「Investment=投資」「Bank=銀行」となるため、日本ではこのような業態の金融機関を「投資銀行」と呼ぶようになりました。

端的に言うと、投資銀行は銀行ではなく、証券業の一種に分類される金融機関です。しかし、投資銀行は、証券会社とも異なります。

証券会社は、企業の株を買いたい人と売りたい人をつなぐ金融機関です。顧客は個人や企業など幅広く、顧客の株式売買を仲介した際の手数料や、投資信託の運用手数料などが収益源となります。一方で、投資銀行は個人を顧客としていません。あくまで法人を対象として、経営・財務の面から企業の価値向上をサポートする金融機関なのです。

投資銀行で働く魅力・やりがい

投資銀行の仕事と言えば、「激務」「年収が高い」「急成長できる」といったイメージを持つ人も少なくないと思いますが、実際はどうなのでしょうか。投資銀行での勤務経験がある人の話に基づいて、働く魅力ややりがいを紹介します。

「投資銀行で働く魅力とやりがい」のイラスト

圧倒的に高い報酬と充実した福利厚生

外資系投資銀行の新卒1年目の平均年収は1,000〜1,200万円程度、日系投資銀行は500~750万円程度といわれています。
転職サービスdodaが行った調査によると、全業界における22歳の平均年収は277万円であり、投資銀行の年収が非常に高い水準であることがわかるのではないでしょうか。若手であっても自分の能力や成果が報酬に反映されることは、働くモチベーションにつながるでしょう。

また、投資銀行は福利厚生が充実している企業が多いことも特徴的です。代表的な外資系投資銀行であるゴールドマン・サックスでは、法律で定められた産前産後休暇を含めて最大20週間までの有給休暇を取得できる制度があります。他にも、社員の心身の健康維持を目的として、社内の会員制フィットネスクラブが利用できるなど、幅広い福利厚生を備えています。

成長意欲が高い仲間との切磋琢磨

日々刻々と変わるビジネス環境に身を置き、企業の資産を左右する立場のため、常に学び続けながら情報収集を怠らない姿勢が必要です。そのため、投資銀行には、成長意欲が高く優秀な人が集まっています。

そのような同僚や先輩に囲まれて仕事ができることは、投資銀行の魅力の1つです。仕事に対して自信やプライドを持ち、向上心が高い人が集まる環境で働くことによって、自然と自分もモチベーション高く仕事に取り組むことができるでしょう。

また、在職中、退職後に関わらず、社員同士のつながりが強く、会社を辞めた後も優秀な人たちとの人脈を維持することが可能です。そのため、転職を考えるタイミングが来ても、人脈を頼りに新しいキャリアを築きやすいという魅力があります。

同年代に比べて圧倒的に成長できる環境

激務のイメージが強い投資銀行ですが、実際のところ、ワークライフバランスを重視したい人は少々大変な思いをする可能性があります。働いた経験がある人の中には、平日は早朝〜深夜まで勤務し、忙しい時期には週末も仕事をしていたという人が少なくありません。休日には仕事に必要な知識を自分で学ぶ時間も必要となります。

しかし、裏を返せばそれだけ仕事に打ち込める環境であり、仕事への向き合い方次第で、若いうちからいくらでも成長できるということです。投資銀行の仕事は、世界に名の知られた大手企業の経営層と議論を重ねたり、新聞紙面を飾るような巨額の案件に携わったりと、若手のうちから鍛えられる機会が数多くあります。

これ以上ないほど仕事に没頭できる環境のため、同世代と差をつけたい人や、圧倒的に成長したいという人には魅力的な仕事でしょう。

 
外資系投資銀行であれば、アメリカや香港、ヨーロッパ、インドなどに同じ業務をしている同僚がいて、交流や意見交換ができるグローバルな環境です。上司へキャリアアップの相談もしやすく、個人のキャリアをサポートする体制も整っています。

今回は、投資銀行の概要、魅力、やりがいについて紹介しました。第2回では、投資銀行全体の組織やそれぞれの部署の役割などを詳しく解説します。

いいね
0
わかりやすい
0
新しい発見
0
著者プロフィール
CareerPod編集部
スロー就活サイト
CareerPod編集部
自分の好きを見つける『スロー就活』で、理想のキャリアを歩もう。 あたらしい就活サイト「CareerPod」の編集チームです。

CareerPod会員限定の
機能です。

無料会員登録をするか、既に会員の方は
ログインをすれば利用いただけるようになります。

CareerPod会員になると…
・CareerPodだけの選考・イベントに応募
・会員限定コンテンツの閲覧・視聴
・あなたの興味に応じてLINEで情報が届く