第1回 押さえておきたい戦略コンサル就活の特徴
名門大学の学生から就職先として、高い人気を誇っている戦略コンサルティングファーム。企業の経営課題に関わるやり甲斐、高額な年収、ネクストキャリアの広がりといった観点から、魅力を感じている方は多いでしょう。
戦略コンサルを目指す皆さんのために、選考プロセスの詳細、内定を獲得するための対策法を徹底解説する本シリーズ。第1回では、戦略コンサルを目指す皆さんに、まず知っておいてほしい「戦略コンサルの就活」の特徴を紹介します。
戦略コンサルというキャリアの魅力
戦略コンサルは、企業の経営戦略や大規模な組織改革など、会社の将来を左右するような経営課題の解決を主にサポートしています。「経営者の参謀(ブレーン)」のような存在とも言えるでしょう。
競争環境が激化する現代において、企業が直面している経営課題はM&Aや新規事業開発、デジタルトランスフォーメーション(DX)、SDGs対応など多岐にわたります。このような複雑、かつ最先端の経営課題に対し、クライアント企業の経営陣とともに、高い視座で取り組むことができることは、戦略コンサルの仕事の醍醐味の一つです。
また、企業の課題を一緒に解決していく中で、クライアントの経営陣や社員から喜んでもらえたり、クライアント企業が良い方向に変革していく様子を見たりする機会も多々あります。人のために役立つ喜びを味わえるのも、戦略コンサルという仕事の大きなやりがいといえるでしょう。
さらに、戦略コンサルの経験は、経営人材としてのネクストキャリアにつながる点も魅力となっています。戦略コンサル出身者は経営幹部・幹部候補の採用を行う外資系事業会社やスタートアップ、PEファンドやベンチャーキャピタルなど、多くの優良企業から引く手あまたの状態です。
最近では、M&A、新規事業開発などが必要となった大手日系企業にも、高いポジションで起用されています。現代の転職市場において、戦略コンサルでのキャリアは、経営幹部に至る「キャリアの高速道路」といっても過言ではありません。
しかし、戦略コンサルファームの新卒募集人数は、けっして多くはありません。戦略コンサルを志望する学生が増加する中、非常に狭き門となっています。
特殊な戦略コンサルの採用過程
戦略コンサルの就活は、他業界とは異なる特殊なスケジュール、選考内容となっています。戦略コンサルの採用過程における他業界との違いは下記の3つです。
相違点1:選考時期が早い
戦略コンサルの選考は、他の業界に比べてかなり早い時期からスタートします。詳しくは第2回の記事で解説しますが、3年生の春には選考を開始するファームが多いため、2年生のうちから選考対策を行なう必要があります。
また、選考時期が早いため、内定が出る時期も必然的に早まります。なかには、3年生の秋に内定が出る人もいます。戦略コンサルで早い時期に内定を得ることは、他業界の選考を受ける際にも、精神的な余裕を持って受けられるのでおおいに役立つでしょう。
相違点2:対策必須の「ケース面接」
戦略コンサルの選考で特徴的なのが、ケース面接の存在です。ケース面接とは、特定のシチュエーションを想定して、面接官とディスカッションする形式の選考です。「マクドナルドの売上を伸ばすには?」「日本のアメフト人口を増やすためには?」などといったお題に対して論理的に回答することが求められます。
特殊な面接であるため、コンサル適性が高い方であっても、対策なしに突破するのは難しいでしょう。ケース面接の対策については、第4回で詳しく解説します。
相違点3:実践型の選考「ジョブ」が行われる
多くのファームでは「ジョブ」が実施されます。ジョブとは、1〜3日間にわたって行われる、就業体験を通じた選考のことです。実施形式はインターンと同様ですが、内定に直結する点が異なります。3〜5人のチームが構成され、与えられた仮想プロジェクトにチーム単位で取り組む形式が一般的です。この選考過程も、戦略コンサル業界特有のものです。ジョブについては、第5回で詳しく解説します。
まとめ
このように、戦略コンサルを目指す就活は、他業界の就活とは多くの点で異なります。これらを踏まえたうえで、対策を行なっていきましょう。本シリーズでは、戦略コンサルの就活における必要な基礎情報を網羅しています。選考対策には時間がかかりますので、ぜひ早い時期に目を通して頂きたいと思います。
次回は、戦略コンサルの就活スケジュールと各ファームの募集時期について解説していきます。戦略コンサルは、ファームによって募集時期や選考フローが異なります。それぞれのファームのスケジュールと内容を予め頭に入れておくことで、今後、すべきことなどの見通しが立てやすくなるでしょう。