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第2回 就活スケジュールとファーム別の募集時期一覧
戦略コンサル業界の就活スケジュールは、他業界よりもかなり早くなっています。また、年に複数回の選考が行われるなど、やや複雑になっています。いつまでにどのようなアクションが必要なのかを理解し、早めに対策のスタートを切ることが、内定への近道となるでしょう。
今回は、戦略コンサルの就活スケジュールと、時期ごとに取り組むべきことを解説していきます。
戦略コンサルの就活スケジュール
戦略コンサルでは、「ケース面接」や「ジョブ」など、対策なしには通過が困難な選考が行われます。志望ファームの選考に間に合うように、スケジュールを把握してから、対策をしていきましょう。
戦略コンサルの主たる選考は「夏」「秋・冬」「春」
戦略コンサルの選考を受けるチャンスは、年に複数回あります。「夏選考」と「秋・冬選考」の2回を行なうファームが多いですが、それらに加えて「春選考」も実施するファームも登場してきました。これ以外のタイミングで選考を行なうファームも一部存在しますが、主たる選考はこの3回となります。
通常、採用枠が最も広いのは「夏選考」です。そのため、戦略コンサルを志望する場合は「夏選考」で多くのファームにエントリーするのが、基本的な方針となります。
なお、複数回の選考をすべて受けられる企業もあれば、一度選考に落ちたら次回以降の選考は受けられない企業もあります。事前に志望ファームの選考について調べ、選考を受けられる回数と時期を把握しておきましょう。
選考のプロセスは、「ES」→「筆記試験」→「面接」→「ジョブ」→「最終面接」→「内定」が一般的です。ファームによっては、「グループディスカッション」が選考プロセスに組み込まれていることもあります。この選考プロセスが、「夏」「秋・冬」「春」と時期をかえて、繰り返し実施されることになります。
以下は、戦略コンサルの就活スケジュールを時系列にまとめたものです。どの時期に何をすれば良いのかを、把握していきましょう。
近年は、選考の早期化・ルートの多様化が進んでおり、変更される場合もあります。最新の情報については、必ず各社の採用ページで確認するようにしてください。
大学2年 1~3月:就活の準備開始
※大学院に進む場合:大学4年生 1〜3月
最初に行なうべきことは、「選抜コミュニティ」への入会です。選抜コミュニティとは、戦略コンサルや外資系投資銀行を志望する学生を主な対象にした、内定者や社会人からサポートを受けられる「塾」のような存在です。
就活における選考対策だけでなく、選抜コミュニティ所属者を対象とする特別選考ルートが案内されることもあります。戦略コンサルを志望するのであれば、選抜コミュニティに入ることをおすすめします。
ただし、「選抜」と名前がついているとおり、参加するには大学2年生の冬(2〜3月頃)に行われる選考をパスしなければなりません。選考内容は、筆記試験、面接官とのディスカッションにより解決策を導き出す「ケース面接」、グループディスカッションなどです。1月には、ケース面接の対策や、グループディスカッションの対策を始めましょう。
もちろん、この時点で対策を完璧にしておく必要はありません。ケース面接やグループディスカッションの基本的な考え方を、CareerPodの記事やケース対策本で押さえておけば、十分でしょう。
なお、選抜コミュニティは、コンサルティングファームではなく、非営利団体や一般の株式会社によって運営されています。具体的には、下記のような団体が挙げられます。
大学2年生の3月頃からは、各企業ともマイページへの登録が始まります。3月後半には他の業界に先駆けて、夏選考の募集が開始されます。乗り遅れないようにしましょう。
大学3年 4~6月:「夏選考」の選考開始
※大学院に進む場合:修士1年 4〜6月
大学3年生の4〜6月は、夏選考に向けて、各社からES(エントリーシート)の提出を求められます。ESによる書類選考に続き、並行して筆記試験が行われるため、その対策も必要です。多くの戦略コンサルが、筆記試験で非常に高い正答率を求めていますので、注意しましょう。
筆記試験をクリアしたら、グループディスカッションやケース面接へと進みます。グループディスカッションとケース面接は、慣れることが大切です。机上だけでなく、口頭での模擬練習を重ねて、対策しましょう。
第3回でES、筆記試験、グループディスカッションの対策について、第4回でケース面接の対策について、詳しく解説します。
大学3年 7~9月:「夏選考」が本格化
※大学院に進む場合:修士1年 7〜9月
グループディスカッションやケース面接がまだ終わっていない場合は、その対策を優先させましょう。志望企業のグループディスカッションやケース面接を通過すると、夏のジョブ(3〜5日間の業務疑似体験型インターンによる選考)へ招待されます。夏選考のジョブは、大学3年の7〜9月に行なわれます。
ジョブは、一連の選考プロセスの中で最大の関門と言えるでしょう。ジョブでは、問題解決能力や論理思考力だけでなく、他者と上手に協働できる人物であるかどうかが確認されています。ライバルを押しのけて、自分の優秀さをアピールするような振る舞いは評価されませんので注意しましょう。また、数日におよぶジョブ期間中、安定した判断力や思考体力を維持できることも重要です。ジョブの対策については、第5回の記事で詳しく解説します。
ジョブを通過した人には、最終面接の案内がきます。一般的には、ジョブの1〜2週間後に設定されます。最終面接では、ジョブの振り返りや、入社に対する熱意・志望度の確認をされることが多いです。最終面接を通過すると「内定」となります。
また、志望ファームが「秋・冬選考」を実施する場合は、そのための対策を始める時期でもあります。対策は、夏選考と同じくESを提出し、筆記試験対策、グループディスカッション対策、ケース面接対策という流れで進めていきましょう。
大学3年 10~12月:「秋・冬選考」本格化
※大学院に進む場合:修士1年 10〜12月
多くのファームでは、秋・冬選考が開催されます。夏選考で、志望ファームに惜しくも不合格となった場合、再応募の可否をチェックしておきましょう。「一度選考を受けると、その年度に実施される別の選考には参加できない」という制限があるファームもあります。
そのため、「選考を夏に受けるのか、秋・冬に受けるのか」をよく検討してから、エントリーするようにしましょう。たとえば、「夏選考」で場慣れして自信をつけた上で、一度しか受けられない本命ファームを「秋・冬選考」で応募するという作戦もひとつの手です。ただし、夏選考で多くの内定者を出した場合は、秋・冬選考の採用枠が狭くなるという可能性もあるので、判断が難しいところです。
大学3年 1~3月:「春選考」の選考開始
※大学院に進む場合:修士1年 1〜3月
この時期は「秋・冬選考」が佳境を迎えます。夏選考と同じ流れですが、夏選考に比べて短い期間でどんどん実施されていきます。夏選考時に面接対策をした人も、しっかりと復習してのぞみましょう。
大学3年生の1月から年度が変わる4月にかけて「春選考」を開催するファームもあります。志望するファームが春選考を実施する場合は、その対策や準備も開始しましょう。春選考は概ね1月ごろがエントリー締切となります。
なお、「春選考」は「夏選考」や「秋・冬選考」と比べて、内定数が少なく、倍率が高くなる傾向にあるので、ご注意ください。
大学4年 4月~6月:「春選考」の本格化
大学院に進む場合:修士2年 4月〜6月
この時期は「春選考」が佳境を迎えます。面接やジョブが実施され、順調に進めば、5月末から6月上旬には内定が出るでしょう。
ファーム別の選考時期一覧
多くの戦略コンサルでは、夏選考と秋・冬選考が行われます。しかし、夏選考しか開催していないファームがあったり、春選考も開催するファームがあったりと、各社の選考時期は異なります。また、同じファームでも年度によって選考時期が変わるので、注意が必要です。
以下は、戦略コンサル内定者の声をもとに、ここ数年の選考時期を一覧にまとめたものです。ただし、変更される場合もありますので、最新の情報については、必ず各社の採用ページで確認するようにしてください。
選考の一部が免除される「リファラルルート」の存在
ここまで紹介してきた一般的な選考ルートとは別に、「リファラルルート」という採用形式を用意しているファームもあります。
リファラルルートとは、ファームで働く社員や内定者からの紹介、あるいは選抜コミュニティ経由で案内が届き、通常の選考で行われるステップの一部が免除される特別な選考ルートです。公式にアナウンスされているものではありませんので、志望するファームに内定したOB・OGに連絡をとって確認するようにしましょう。
まとめ
今回は、戦略コンサルの就活スケジュールとファーム別の選考時期について解説しました。次回以降は、戦略コンサルで内定を獲得するために、各選考ステップにおける対策法を紹介します。引き続き、本シリーズで内定に向けてステップアップしていきましょう。