長期インターンへの参加方法
長期インターンのすすめ

第3回 長期インターンへの参加方法

前回は、長期インターンの実際の業務内容について解説しました。長期インターンへの興味や関心が高くなっていらっしゃる方もいることでしょう。

しかし、応募先の探し方や応募方法など、具体的な手順については不明な点があるかと思います。そこで今回は、長期インターンへの参加方法を丁寧に解説していきます。

いつ参加・応募するのが良いか

長期インターンは、募集要項に指定がない限り、学年を問わず参加することができます。大学1年時からの参加も可能ですし、就活が終了した4年生から受け入れてくれる企業もあります。

ただし、長期インターンへの参加や応募は、できれば早い時期がよいでしょう。その理由は主に3つあります。

「長期インターンへの参加は早い時期が良い理由」の図表

複数のインターンに参加できる

早い時期から長期インターンへ参加しはじめると、複数の企業で経験を積むことも可能となります。たとえば、大学1年生から参加しはじめたのであれば、2年生の終わりまでの間に、半年ずつ4社で経験を積むことも可能でしょう。これにより、十分な経験を持ってから就職活動に臨めます。

大学の授業やサークルとの兼ね合いを考えると、同時期に参加できる長期インターンは多くても2つ程度でしょう。できれば無理をせずに、同時期には1社に絞って参加したいところです。このように考えると、複数の業界や企業を経験するためには、早めに長期インターンへ参加しはじめることが大切になってくるのです。

高度な仕事に挑戦できる機会が得られる

一方、一つの企業のインターンに長期間取り組むことも、大きな価値があります。長い期間、その企業の仕事に取り組むことで、当然習熟度は高くなります。それに伴って、より高度な、やり甲斐のある仕事を任せてもらえるようになるでしょう。ゼロから新しい事業を立ち上げることに携わったり、海外市場の調査を任されたりするインターン生もいます。

このように長期間参加するためにも、やはり早い時期から、長期インターンへ応募したほうがより良いということになります。

募集枠が埋まることが珍しくない

一般的に長期インターンは通年で募集をしています。しかし、優秀な学生を採用できて枠が埋まれば、その時点で募集は終了してしまうのです。

「興味のある企業に、そのうち応募しようと思っていたけど、募集が終了していた」という失敗談は珍しくありません。数名の採用枠となっている企業が多いですので、興味がある企業の募集を見つけたら、早めに応募することをおすすめします。 

長期インターン先の探し方

それでは、長期インターン先を探すためには、どのようにするとよいのでしょうか。もちろん、参加したい企業が決まっている場合は、その企業のHPにある長期インターン募集ページから応募すれば大丈夫です。

しかし、多くの皆さんは、どの企業の長期インターンに参加するのが良いのか、まだわからないのではないでしょうか。その場合は、次の3ステップで探していくことをおすすめします。

「長期インターン先を決めるときの3ステップ」の図表

ステップ1:目的を考える

まずは「何のために長期インターンに参加したいのか」を考えてみましょう。「メリットが多そうだから、長期インターンを経験しておこう」といった緩いスタンスではなく、自分の目的を意識することで、より適切な企業を選定でき、有意義な経験を積むことができます。

たとえば、「営業スキルを身に付けたい」という目的なのか、「興味のある業界を深く理解したい」という目的かによって、応募する企業は変わってきます。前者の場合は、営業職を中心に探すことになりますし、後者の場合は、興味のある業界を中心に探すことになります。

ただし後述するように、長期インターン情報を調べる中で、自分が長期インターンに求めるものが変化したり、クリアになったりすることは珍しくありません。この段階ではおおよその方向性を考えるだけで十分です。

ステップ2:応募先の候補を探す

目的が決まった後は、「長期インターン掲載サイト」を活用して、応募先の候補を探します。近年の長期インターン掲載サイトは、数多くの企業の募集が集められているため、比較検討をしやすく便利です。なお、この段階では、複数の応募先候補を選ぶようにしましょう。

掲載案件を見ていくうちに、「当初は営業スキルを高めたいと思っていたが、マーケティングのスキルの方が自分に合っていそうだ」、「A業界に関心があったが、B業界も面白そうだ」などと、考えが深まってくることも珍しくありません。また、掲載案件を見ることで、こういう業界があったのだと知ることもあるはずです。ぜひ楽しみながら掲載サイトを見ていってください。

一方で、掲載案件が多いため、見ているうちにどの企業へ応募するか悩んでしまうかもしれません。そのようなときは、長期インターンに参加する目的に立ち戻り、多少の時給の差などささいな要素には囚われずに選ぶように心がけましょう。

「CareerPod」では、優良なコンサルファームやスタートアップなど、厳選した長期インターン情報を掲載しています。応募先を探す際にぜひ活用してください。

ステップ3:応募先を決める

応募先の候補(複数)を選んだ後は、実際に応募する企業を決めます。候補としてピックアップした企業に関する情報を収集し、参加しても大丈夫なのかを念の為に確認するステップです。

実は、長期インターンを募集している企業の中には、インターン生を受け入れる体制が十分ではないケースも稀に存在します。社員が自分の仕事に手一杯で、インターン生だけで職場を回していたり、成果報酬型の報酬体系で稼げるのかと思ったら、難しくてほとんど収入にも成長にもならなかった、などということもあります。

このような実態は、募集要項だけでは十分にわかりません。そのため、厳選した企業だけを載せている長期インターン掲載サイトを活用することが大切です。また、社員による会社評価サイト「OpenWork(オープンワーク)」などを活用して、社内の雰囲気を確認することも有効でしょう。在職中の社員や退職した社員の生の声が、掲載されていますので参考になります。

なお、このようにして選定した後、複数の企業へ同時に応募することは問題ありません。良さそうだと思う企業には、ぜひ積極的にチャレンジしてみましょう。

長期インターン応募にあたって用意すること

通常、長期インターンの参加にあたっては「選考」が行われます。エントリー、適性テスト、面接という3つのステップが一般的です。

なお、人気企業の長期インターンには、数多くの学生が応募をします。基本的な準備をしてから応募すると良いでしょう。

「長期インターンへの応募」のイラスト

ステップ1:エントリー

エントリー時に履歴書を求められることが一般的です。エントリーフォーマットが用意されている場合も、フォーム内に履歴書と同様の内容を記載することが多くなっています。

学生本人の基本情報のほかに、簡単な志望動機を書く欄もあります。書くことができる文字数は少ないため、短い文章のなかで、応募企業や仕事内容に対する熱意、関心をアピールすることが求められます。よく練ってから記載しましょう。

また、エンジニア職の場合は、書類選考時にポートフォリオを求められることが多いため、準備しておいてください。

ステップ2:適性テスト

昨今は長期インターンにおいても、適性テストを実施する企業が多くなっています。就活時の適性テストとは違い、Webの性格診断テストであることが一般的ですが、SPIや玉手箱など対策を必須とする適性テストを採用する企業もあります。

適性テストの有無は、募集要項に記載されていることが多いため、事前に確認して、必要であれば対策本で慣れてから受けるようにしましょう。

ステップ3:面接

長期インターンでは、1、2回の面接で決定するケースが多くなっています。社員数が少ない企業では、社長や役員の方と面接をして、1回で決定するといったこともあります。

面接では、志望動機について聞かれます。エントリー時に考えた志望理由をもとに、体験談やエピソードなどを加えて、具体的に話すと良いでしょう。志望動機の準備は大切なので、詳細については後述します。

また、「一緒に働きたい」と思ってもらうことが面接突破のカギとなるため、笑顔や明るいリアクションを心がけて臨むことが大切です。他社での長期インターンの経験がある場合は、すでに企業での業務経験があるということで、大きなアドバンテージとなる可能性があります。忘れずに伝えるようにしましょう。

なお、エンジニア職の場合は、ポートフォリオをもとに、スキルやこれまでの経験、実績を伝えることが大切です。

面接の最後に設けられる「質問タイム」は、企業への志望の高さや熱意をアピールするチャンスです。質問しないと、熱意がないと判断されます。事前にいくつかの質問を用意してから、受けるようにしましょう。

長期インターンで大切な「志望動機」

長期インターンの面接で、特に大切なのは志望動機です。企業は採用したインターン生を育成する必要があるので、学生のやる気や熱意を重視して、採用をしています。

なぜ、この企業の長期インターンへ応募したのか――その理由をノートに書き出すなどして、しっかり言語化しておきます。エントリー時に考えた志望理由、採用ページに記載されている求める人物像、仕事内容、企業理念などをベースに整理していきましょう。

採用企業から「真剣に考えているな、ぜひ一緒に働きたい」と判断されるように、志望動機では以下のような観点を踏まえて、伝えてみましょう。

インターンを通して得たいことは何か?

志望動機の中で、最も重視されているポイントはインターン参加の目的です。

「ビジネス経験を通して、成長したい」「業界の空気を肌で感じたい」といった抽象的な話では、熱意は伝わりません。
「御社サービスの営業を経験することで〇〇のような提案力を身につけたい」とか「エンジニアとして、〇〇開発や△△プロジェクトを、どのようにすれば成功させられるのか、実際の仕事を通じて学びたい」などといったように、募集要項に記載されている仕事内容を通して、どのような期待があるのかを具体的に伝えましょう。

なぜ、その業界の仕事に関心を持ったのか?

当然ながら、採用企業はその業界や仕事内容に高い関心を持つ学生を採用したいと考えています。関心を持つようになったきっかけを、体験談やエピソードを混じえて具体的に話せるようにしておくと良いでしょう。熱意が伝わりやすくなります。

なぜ、その企業に関心を持ったのか?

採用企業は、情熱を持って一緒に働いていける仲間を求めています。そのため、採用企業への想いも確認をされます。同業他社に比べ、どの点で惹かれたのかを具体的に伝えられると良いでしょう。

長期インターンに参加する際の注意点

長期インターンは、ある程度の頻度で参加できる時間を確保してから、取り組むことが重要です。企業にもよりますが、週2日は5時間ずつ参加するといった想定のことが多くなっています。

もし、頻度が少なく勤務時間が短いと、スキルの習得スピードが遅くなってしまいますし、教わったことも忘れてしまいがちです。当然、大きな仕事や新しい業務を任せてもらえるチャンスが減ってしまうことでしょう。
また、複数社の長期インターンを掛け持ちすると、1社に割ける時間が少なくなってしまいます。そうなると、本来長期インターンで得られるはずだったスキルや経験を十分に得ることも難しくなってしまい、本末転倒でしょう。長期インターンを価値ある経験とするためには、1社のインターンにしっかりと時間を割いて、集中して取り組むことが大切なのです。

心配せずに、長期インターンに応募してみよう

一定程度の時間が確保できそうであれば、長期インターンへ参加してみましょう。応募にあたっては、多少の準備が必要ですが、あくまで長期インターンの選考です。就活の選考ではありません。仮に面接で失敗したとしても、それも経験のひとつ。まずは、気になる業界・企業へ広く応募するとよいでしょう。

学生の皆さんが長期インターンを通じて、自分が好きな仕事に出会い、社会人としての基礎スキルを身につけることで、卒業後に楽しくご活躍されることを願っています。

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著者プロフィール
渡辺 秀和
CareerPod編集長
渡辺 秀和
コンコードエグゼクティブグループ|代表取締役CEO
戦略コンサル、外資系企業の幹部などへ1000人を越えるビジネスリーダーの転職を支援したキャリア設計の専門家。「日本ヘッドハンター大賞」初代MVP受賞者。 著書:『未来をつくるキャリアの授業』(東京大学でのキャリア設計の教科書に指定)

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