【東大→戦略コンサル】(後編)好きを軸にして辿り着いた、エンタメ×コンサルの道
社会人の先輩に、学生時代から現在のキャリアに至るまでの歩みを伺う「卒業生インタビュー」。
今回は、東京大学ご出身で、現在はSHAPE Partnersでエンタメ企業へのコンサルティングを手がける、北浦ひな子さんへのインタビューです。前編では東京大学での学生生活や、就職活動のエピソードについてお伺いしました。
後編では、社会人経験から現在のキャリアにつながる挑戦についてお伺いします。就職活動中の方や、コンサルタントのキャリアに関心のある方に、ぜひ読んでいただきたい内容です!
Profile
北浦 ひな子(きたうら・ひなこ)さん
SHAPE Partners マネージャー。東京大学農学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。消費財・小売業界を中心に、中長期の全社戦略、マーケティング戦略、新規事業開発などの立案・実行支援プロジェクトを担当。のちに、スポーツ・エンタメ領域に強みをもつコンサルティングファームであるSHAPE Partnersへ参画。現在は、エンタメ業界を中心にコンサルティング支援を行っている。
マッキンゼーで身につけたゼロから考えて「やり切る力」
CareerPod編集部:
新卒で入社されたマッキンゼーでは、どのような領域に関わられていたのでしょうか。
北浦さん:
マッキンゼー入社直後は、製造業や消費財・小売業、金融まで、幅広い業界のプロジェクトに携わりました。
エンタメ業界へ——好きと熱量を軸にした転職活動
CareerPod編集部:
入社後から様々なプロジェクトを経験され、充実した日々を過ごされる中で、マッキンゼーから転職を考えるようになったきっかけを教えてください。
北浦さん:
3年目に昇進のタイミングを迎えたとき、初めてキャリアを見つめ直しました。
“やりたい”重視のSHAPE Partnersで挑む、エンタメ業界の成長支援
CareerPod編集部:
SHAPEに入社後は、どのようなプロジェクトに参加されているのでしょうか。
北浦さん:
演劇会社のマーケティング戦略や音楽制作ツールの市場分析、ホテルの新規事業など、エンタメを中心に幅広いプロジェクトに携わってきました。
現在は、やりたいと思っていたライブエンタメの領域で、演劇会社のマーケティング戦略のプロジェクトに参加しています。「新規のお客様をどう取り込むか」や、「一度劇場に来てくれた方にどうやってリピートしてもらうか」などといった課題について、消費者調査を通じて戦略を策定するプロジェクトです。
CareerPod編集部:
入社前に思い描いていた理想に近いご経験ができているのですね。逆に、SHAPE入社後にギャップを感じた面は何かあったのでしょうか。
北浦さん:
SHAPEはどちらかといえばスポーツの領域が強いと聞いていたのですが、入社してみると、思ったよりエンタメの案件ができることは、いい意味でのギャップでした。
SHAPEは社員一人ひとりの「やりたい」を何より尊重してくれる会社であり、自分が提案した案件がプロジェクトとして立ち上がることも多いというのは、大きな特徴です。実際に、今関わっている4つのエンタメ系プロジェクトのうち3つは、私の入社後に提案を始めてプロジェクトになったものです。
CareerPod編集部:
個人の「好き」がアサインに反映されて、しかも提案段階から関われるのは、非常に貴重な環境ですね。そうした現職も含め、約6年間のコンサルのキャリアを振り返って、改めて感じられるコンサルの仕事の面白さについてもお伺いしたいです。
北浦さん:
コンサルの一番の面白さは、若いうちから企業の経営課題の中心に関われることだと思います。コンサルに相談が持ちかけられる課題は、高い報酬を払ってでも解決したい、「会社にとっての一大事」であるケースが多いです。こうしたプロジェクトに継続的に関われるというのは、やはりコンサルならではだと思います。
事業会社に新卒で入った場合、このような経営の中枢に関わる仕事を任されるのは、何十年も経験を積んでからというのが一般的です。さらにそれをキャリアの中で何度も経験できる人は少ないでしょう。
個人的には、この仕事は「ウエディングプランナー」のようだと感じています。ウエディングプランナーは、個人の人生における最も特別な一日を支える仕事ですよね。コンサルタントもまた、企業にとっての特別な節目で、大きな方向性を決める重大な局面に立ち会い、その成功をサポートする仕事です。それを日々繰り返せるからこそ、私にとっては常に刺激的で、飽きることがないのだと思います。
CareerPod編集部:
ありがとうございます。コンサルの仕事の魅力が非常によく伝わってきました。今後のキャリアについては、どのように考えていますか。
北浦さん:
短期的には、SHAPEの中でエンタメ領域の案件をもっと増やしたいです。今はスポーツ領域に関心のあるメンバーが多いので、エンタメに熱意を持つ仲間を増やすことで、より多くのエンタメ系案件を手掛けられるようにしていきたいですね。
中長期的には、ライブエンタメの産業を、より“サステナブル”にしていきたいという想いがあります。例えば、今の日本の演劇は、熱心なファンが何度も通う構造に支えられていますが、アメリカやイギリスでは「観光の一部」として気軽に観劇できる文化があるんです。日本でも同様に、より多くの人が「今やってる舞台、ちょっと行ってみよう」と思える社会を創りたいと思っています。
その中で、業界全体の働き方をより健全にしていくことも重要だと考えています。ライブエンタメの現場には、個人の情熱に頼りがちで、労働負担が大きくなりやすい構造があるため、情熱を持って働く人が、長く安心して活躍できるような仕組みをつくりたいです。
日本のアニメなどのIPが海外で高く評価されているように、ライブエンタメにも大きな可能性があります。ブロードウェイのように、日本の舞台が海外でも愛される未来を目指したいですね。
CareerPod編集部:
ありがとうございます。インタビューの最後に、進学選択やキャリアに悩む東大生や、コンサルに興味があるけれど、踏み出せない学生に向けて、アドバイスをいただけますか。
北浦さん:
多くの場合、「絶対ここに進まないといけない」という唯一の正解はないはずなので、もし希望のところに行けなくても、あまり思いつめる必要はありません。私自身、進学選択では希望通りにいきませんでしたが、振り返ってみると、経験の一つ一つが結果的に今のキャリアにつながっています。
大切なのは、自分の「やりたい」を素直に追い続けることで、「就活に有利かどうか」よりも、いま目の前の興味に向き合うことを優先してほしいです。
また、コンサルに興味のある方には、「興味があるならチャレンジしてみる」のをおすすめします。入ってみて初めて分かることがたくさんありますし、どんなキャリアを歩むにしても、コンサルを経験して得られるスキルは一生ものです。 ただし、「みんなが受けているから」「無難だから」という理由で選ぶのはおすすめしません。向上心を持って成長を楽しめる人にこそフィットすると思います。
CareerPod編集部:
本日はありがとうございました!
今回のインタビュー内容については、YouTubeでもダイジェスト版の動画を公開しています。文章では伝えきれない雰囲気やリアルな言葉も感じていただけますので、ぜひあわせてご覧ください!
また、SHAPE Partnersについて詳しく知りたい方は、以下の公式HPをご覧ください。