
第5回 【営業】顧客の課題解決と自社の売上を支える「会社の顔」
営業の仕事
営業とは、自社の商品やサービスを、必要としている人や企業に届ける仕事です。単に「モノを売る」だけではなく、顧客の課題やニーズをくみ取り、最適な提案を行うことで、自社の売上につなげていくという重要な役割を担います。
営業の仕事は、大きく「個人営業」と「法人営業」に分けられます。
個人営業は、一般の消費者を相手にする営業です。たとえば、保険会社であれば個人の顧客に保険商品を提案したり、不動産会社だと住宅の購入や賃貸の相談に乗ったりします。転職のアドバイスを行うキャリアコンサルタントも個人営業の一種です。いずれの仕事も、顧客のライフスタイルや人生設計に寄り添いながら、最適な選択肢を一緒に考えていくことが求められます。
一方で法人営業は、企業や団体などを相手にする営業です。IT企業の場合は、企業を相手に最先端のシステムを提案したり、メーカーであれば自社の製品を他社に導入してもらうために交渉したりします。企業ごとに抱える課題や戦略が異なるため、業界の知識やビジネスの理解も必要です。企業の課題解決に繋がるような提案を行う場合は「提案営業」「コンサルティング営業」などと呼ばれることもあります。
どちらの営業職でも、顧客との信頼関係を築くことが最も重要です。そのためには、相手の話をしっかり聞くことや、丁寧なコミュニケーションが求められます。営業は、企業と顧客をつなぐ「最前線」で活躍する仕事であり、自社のビジネスを支えている存在と言えるでしょう。
営業の仕事の魅力
営業は、自分の提案や工夫によって成果が左右される仕事です。その成果に応じて報酬が上がる仕組みの企業もあり、たとえば個人営業では保険や不動産、法人営業では企業の売買をサポートするM&A仲介などの仕事では、20代で1000万円以上など、かなりの高年収も期待できます。
また営業の仕事は顧客の課題解決もサポートします。結果として顧客から「ありがとう」と直接感謝される機会が多い点も、営業ならではのやりがいと言えるでしょう。
加えて、顧客と直接向き合うからこそ、相手のニーズを正確にとらえ、最適な提案を行う力が求められます。その中で、課題解決力や提案力、コミュニケーション力など、社会人としての基礎スキルが着実に身につく点も、大きな魅力です。
営業の経験を積むことで開けるキャリア
会社の業績を支える役割である営業職は、高い実績を積むことで、社内の管理職や役員に登用されることも多くなります。また優秀な営業人材を求めている企業はかなり多いため、より高年収が期待できる企業や、自分の思い入れのある商品やサービスを扱う企業に転職することも一般的です。
また、課題解決力や提案力、コミュニケーション力の高さから、異なる職種へ転職することも可能です。特に企業の課題解決をサポートする「経営コンサルタント」や、学生・転職希望者とのコミュニケーションが重視される「採用」のポジションなどで活躍することも多く、幅広いキャリアの可能性が期待できます。