第3回 【マーケティング】商品やサービスに直接関わる、もっとも生活に身近な立場
マーケティングの仕事
マーケティングは、皆さんにとって「もっとも身近な仕事」と言えるかもしれません。たとえば、「コンビニで新たなスイーツが発売される」「テレビで新作コスメのCMが流れる」「観光シーズンにホテルの宿泊代が値上げされる」など、これらはすべてマーケティングに含まれます。
このように、ひとくくりに「マーケティング」と言っても多くの要素があり、それによって担当する組織が分かれることも少なくありません。
マーケティングの仕事を大きく分けると、①世の中のニーズを押さえる、②ニーズを踏まえて売れる商品やサービスを作る、③商品やサービスが実際に売れるための仕掛けを用意する、という3つといえます。
①世の中のニーズを押さえるというのは、商品やサービスを届けたい相手について理解を深めるということです。新たなスイーツを発売する際には、「ターゲット層はどういった味を好むか」「他の企業はどんな商品を出しているのか」といった情報を集めて分析します。「マーケティングリサーチ」と呼ばれ、専門にしている会社もあるほど重要なステップです。
この分析結果をもとに、②売れる商品やサービスを考えていきます。スイーツの場合、味はもちろん、「商品名やパッケージはどうするか」「価格はどのくらいが適切か」など、あらゆる要素について考慮しなければなりません。こうした商品に関する検討は「商品企画」「商品開発」といった部門が担当することも多いです。
さらに③売れるための仕掛けを用意します。仕掛けの1つは「提供場所」で、スイーツの例ではコンビニをはじめとした店舗が浮かびやすいですが、ターゲット層によってはネット販売なども有力かもしれません。どのような場所や経路で商品を届けるかという点も、売れ行きに大きな影響があります。
仕掛けのもう1つとして、「広告・宣伝」も欠かせないでしょう。テレビCMや雑誌広告だけでなく、最近ではWebマーケティングの活用も主流となっており、どのように組み合わせるかが重要となります。これら広告・宣伝については、専門的な会社として「広告代理店」が有名です。
マーケティングの仕事の魅力
マーケティングは「もっとも身近な仕事」であるため、成果が分かりやすいと言えるでしょう。たとえば自分が企画段階から参加した商品が、実際にコンビニで販売され、CMが流れるといった場面を想像してみてください。世の中に対して直接的に影響が与えられるため、非常に人気の高い職種となっています。
マーケティングの経験を積むことで開けるキャリア
特に消費者向けの商品やサービスを手掛ける企業において、マーケティングの重要性はかなり高く、花形の仕事と言えます。そのため、マーケティングの経験を活かして経営幹部を目指すことも可能です。
さらに、マーケティングでは専門的なスキルや能力が求められます。そうしたスキルがあると様々な企業で必要な人材となるため、転職もしやすくなるでしょう。たとえば情報の収集・分析について、最近では取り扱う情報やデータが非常に多くなっています。そこで、大量のデータを分析する専門家である「データアナリスト」や「データサイエンティスト」という仕事が生まれ、多くの企業でニーズが高くなっています。