第2回 【経理・財務】お金の出入りを管理する専門職
経理・財務の仕事
経理や財務の仕事は、会社のお金の出入りを管理する仕事です。会社はお金がないと、商品を仕入れることも、宣伝することも、社員を雇うこともできません。お金の出入りを管理する経理や財務の仕事は、経営の核心部分に関わる仕事といえるでしょう。
経理と財務は、会社のお金に関わる部署であるという点では共通しています。しかし、経理は過去のお金の出入りを「記録する」部署であり、財務は未来に必要となるお金を「集めて、管理する」部署という点が、大きく異なっています。
経理は、会社が行う日々の業務の中で、お金をもらったり、使ったりすることを正確に把握し、記録する仕事です。例えば、商品の売上や送料の支払いなどを正確に記録し、これらの情報をもとに経営者や株主などに対して報告書(財務報告書)を作成します。この報告書は、会社の今のお金や経営成績の状況を把握するために、重要なものです。
一方、財務は会社の経営に必要な資金を算定して、資金の調達を行ったり、管理したりする仕事です。会社の経営では、資金の調達がとても大切です。商品を仕入れるのにも、社員へ給料を支払うのにも、工場を建てるのにも、資金が必要となります。また、会社を経営するために必要なお金がなくなれば、会社は倒産してしまいます。
会社の立てた経営計画に基づき、資金調達の計画をたて、資金を調達し、管理するのが財務の仕事です。調達の方法はさまざまで、銀行からの融資や、株式発行、ベンチャーキャピタルから投資してもらうなどがあります。
経理・財務の仕事の魅力
会社のお金の動きを正確に記録する経理、それらのデータを元に財務的な視点で戦略立案から運用、資金調達などを担う財務は、会社の経営に欠かせない仕事です。お金は経済の血液とも呼ばれますが、それは会社の経営でも同じです。責任も大きいですが、経営へのインパクトは大きく、やりがいのある仕事といえるでしょう。
経理・財務の経験を積むことで開けるキャリア
経理や財務としての仕事内容は、業界によってそれほど大きな差はありません。そのため、経理や財務としての経験を積むと、他企業への転職もしやすくなります。また、経理や財務を経験した後に、経営企画などのより「経営」に近い仕事へシフトする人もいます。財務の経験者の中には、資金調達に関する専門知識を活かして、ベンチャー企業の経営幹部やコンサルティングファームへ転職する人も多く、幅広いキャリアが開けています。