名門大生が注目するコンサル業界の魅力とは?
コンサル業界の歩き方

第1回 名門大生が注目するコンサル業界の魅力とは?

近年、名門大学の学生から、就職先として高い人気を誇るのが、コンサルティング業界(以下、コンサル業界)です。

OpenWorkが発表している「24年卒就活生が選ぶ、就職注目企業ランキング【大学別編】(※)」によると、東大生の就職注目企業の上位20社の中に、コンサル業界から13社がランクイン。大きな存在感を示しています。

なぜ、先輩たちはコンサル業界を志望するのでしょうか。今回は、その理由を解説したいと思います。

「東大生人気上位20社中13社がコンサル」の図表

コンサルタントの仕事とは

まずは、コンサルタントの仕事について説明しましょう。

コンサルタントは、社長(経営者)の相談に乗ったり、会社の経営についてアドバイスしたりする人のことです。「売上を伸ばしたい」「海外へ進出したい」といったようなさまざまな悩みに対し、解決する方法を考えて、提案します。企業の成長を支えるプロフェッショナルであり、企業にとっての医師のような存在といえるでしょう。

そして、コンサルタントたちが働く会社のことを、コンサルティングファームと呼びます。日本やアメリカ、ヨーロッパなど世界各国に拠点を構える、数十万人規模のグローバルな組織もあれば、数名程度の小規模な組織まで、数多く存在します。

「企業の成長を支えるプロフェッショナル」のイラスト

コンサル業界の魅力

皆さんの先輩たちは、コンサル業界のどのような点に惹かれているのでしょうか。コンサル業界の特徴的な魅力は、以下の3つが挙げられます。

1. 企業経営に関わるやりがいのある仕事

コンサルタントは、経営者の相談役という難度の高い専門家(プロフェッショナル)です。ただし、医師や弁護士、公認会計士などとは違い、国家資格を取得しなくてもコンサルタントになることが可能です。

経営を改善するコンサルの仕事は、非常に多くの人たちに影響を及ぼします。相談をしてくる企業には、何千、何万人という社員が働いています。さらに、その会社がつくった商品を買うお客さんが、何十万、何百万人といることも珍しくありません。

コンサルタントの仕事とは、このような多くの人たちの暮らしに関わるということです。自分の考えたことが実行され、会社が良い方向に進むことで、多くの人を幸せにできるという意味で、やりがいのある仕事だと言えるでしょう。このような理由から、専門性を持って、社会や顧客に貢献したいと思っている学生たちに人気となっています。

「コンサルタントのアドバイスは多くの人に影響がある」のイラスト

2. 高い報酬を得られる

一般的な企業と比較して、コンサル業界の年収水準は高くなっています。また、それを若いうちから得ることができます。

国税庁が発表している「令和3年度 民間給与実態統計調査」によれば、20代後半の平均年収は404万円、30代前半は472万円となっています。

一方で、大手コンサルティングファームにおける20~30代半ばの年収は600万~2000万円程度です。外資戦略コンサルティングファームに新卒で入社した場合には、30代前後にマネージャークラス(中堅)になることも可能であり、その場合は2500万円程度の報酬水準となるでしょう。パートナークラス(幹部)ともなれば、5000万円を超えるようなケースも多いです。

所属するコンサルティングファームによっても差異はありますが、コンサル業界の給与は他業界と比べて高くなっており、優秀な人材を惹きつけています。

3. 若いうちから経営幹部を目指せる

将来、経営幹部を目指している人にとっても、コンサルタントは魅力的なキャリアとなっています。

コンサルタントは、経営改善に取り組んだ経験や、充実した研修制度によって、若いうちから高度な経営スキルを身に付けることができます。

そのため、さまざまな会社から、社長や経営幹部として高待遇で迎え入れられています。外資系企業の日本法人社長に抜擢されたり、オーナー企業の次期社長を任されるといったケースが珍しくありません。

一般的な大企業に入社した場合、経営幹部になれるのは、40~50代です。一方、20~30代で経営幹部を目指せるコンサルタントは、現代における「キャリアの高速道路」と言えるでしょう。

また、起業家を目指すうえでも、コンサルタントの経験はおおいに役立ちます。経営に関するスキルやリーダーシップを身につけてから起業することで、その成功確率は飛躍的に高くなります。

「コンサルは経営幹部への「キャリアの高速道路」」のイラスト

コンサル業界の今後

日本企業が抱える悩みは、どんどん難しくなっています。その原因として挙げることができるのはグローバル化とIT技術の発展です。皆さんもご存知の通り、Amazonの登場により、書店が激減しました。アップルのiPhoneは、国内のスマホ市場の半数以上のシェアを取っています。

もはや日本企業の競争相手は国内だけではなくなっているのです。企業にダイナミックな変革が求められる中、コンサルティングファームへの相談は年々増加しています。企業からの依頼にこたえるため、コンサルティングファーム各社は組織規模を拡大させています。

大手コンサルティングファームの1社であるアクセンチュアは、2015〜2023年の8年間で社員数を約4倍に増やしました。当面の間、コンサル業界の成長は続くことでしょう。

「8年間で社員数が4倍の企業も アクセンチュア日本法人の社員数」の図表

名門大生から高い人気を誇るコンサル業界。第2回以降では、コンサルタントの仕事内容や、働き方などについて深堀りして解説していきます。

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著者プロフィール
渡辺 秀和
CareerPod編集長
渡辺 秀和
コンコードエグゼクティブグループ|代表取締役CEO
戦略コンサル、外資系企業の幹部などへ1000人を越えるビジネスリーダーの転職を支援したキャリア設計の専門家。「日本ヘッドハンター大賞」初代MVP受賞者。 著書:『未来をつくるキャリアの授業』(東京大学でのキャリア設計の教科書に指定)

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