
第9回 【デザイナー】企業とユーザーの「架け橋」となる存在
デザイナーの仕事
デザイナーは、人の心を動かすビジュアルや、使いやすさ・わかりやすさを考えて、製品やサービスを形にする仕事です。たとえば、「読者を惹きつける雑誌の表紙」「スマホアプリの使いやすい画面」「わかりやすいパンフレット」など、これらはいずれもデザイナーの工夫がたくさん詰まっています。皆さんにとって、デザイナーの仕事は身近なものと言えるでしょう。
素晴らしい製品やサービスも、見た目が魅力的でなかったり、ユーザーにとって使いにくかったりしたら、多くのユーザーに使ってもらうことはできません。デザイナーの仕事は、消費者と製品・サービスをつなぐ「架け橋」のような役割を担っています。
デザイナーには多様な分野があり、扱う対象によって専門性が異なります。たとえば、Webサイトやスマホアプリを綺麗な見た目に整えるWebデザイナー、ユーザーが使いやすいWebサイトやスマホアプリを設計するUI/UXデザイナー、ロゴやパンフレットのデザインを作るグラフィックデザイナー、服や靴をデザインするファッションデザイナー、商品の形や使いやすさを考えるプロダクトデザイナー、家具や照明で空間を演出するインテリアデザイナーなどがあります。
また、デザイナーの働き方は、所属する会社によって主に2つのタイプに分かれます。1つは、デザイン事務所や制作会社などで、顧客からの依頼を受けて、ポスターやWebサイト、企業のブランディングなどを幅広く手がける働き方です。さまざまな案件を経験することができるため、それぞれの目的に合った構成や表現を考える力が鍛えられ、汎用的な問題解決能力が身につきやすいでしょう。
もう1つは、メーカーやIT企業などの事業会社に所属し、自社製品/サービスのデザインを一貫して担う働き方です。この場合、ひとつの製品/サービスに長く関わることが多く、時間をかけてじっくりと向き合いながら、自分のデザインを育てていく経験を積むことができます。
このように、デザイナーの専門分野や働き方は様々ですが、ユーザーへ製品やサービスの価値を伝え、良い体験を生み出すという、共通の使命を持っています。
デザイナーの仕事の魅力
デザイナーの仕事は、自らが考えたアイデアが、手に触れられる・目に見える形となって世に出ていきます。自分が手がけた商品を、街中やお店で見かけたり、家族や友人をはじめ、多くの人が実際に使っているのを目にしたりすることもあります。自分の仕事が人々の生活を豊かにしているということを実感しやすく、非常にやりがいのある職種です。
また、独自の創造性を発揮できる点も、デザイナーの仕事の大きな魅力です。同じテーマでも、デザイナーの発想次第でまったく新しいアプローチが生まれます。自分らしさや自由な発想を大切にしたい人にとっては、素晴らしい仕事だと言えるでしょう。
ただし、デザイナーの仕事は、単に「自分が作りたいもの」を表現するのではなく、「顧客やユーザーが求めるもの」を形にすることが最も大切です。そのためには、「相手の意図をくみ取り、伝えたいことを正しく届ける力」を、訓練しながら磨いていくことが必須になります。デザインは、誰かの役に立つためのものであるということを、ぜひ忘れずに取り組んでいただければと思います。
デザイナーの経験を積むことで開けるキャリア
デザイナー全般のキャリアパスとして、まずは現場で経験しながら基礎的なスキルを磨いた後に、アートディレクターやクリエイティブディレクターといった、チームを率いる管理職を目指すのが一般的です。
また、顧客となる企業からの請負が中心のデザイン事務所や制作会社などで経験を積んだ後、「ひとつのサービスに長く深く関わりたい」という思いから、自社製品やサービスの企画・開発に深く関わる事業会社やスタートアップ企業へ転職するケースもよく見られます。自身の裁量で働きたいと考える場合は、独立して自分の事務所を構える方も少なくありません。
近年ニーズの高いUI/UXデザイナーの場合、特にベンチャーやスタートアップ企業がプロダクトを開発する際に重宝されることが多く、プロダクトマネージャーに転身するケースも珍しくありません。また、リサーチやユーザー行動分析のスキルが身につくため、事業会社のデジタルマーケティング職や、同領域に強いコンサルタントへの転職が可能です。
以上のように、デザイナーのキャリアパスは多岐にわたっており、本人の志向や得意分野によって様々な道を選べるといえます。
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01【経営企画】経営者とともに会社の成長を推進する、社長のブレーン的存在
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02【経理・財務】お金の出入りを管理する専門職
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03【マーケティング】商品やサービスに直接関わる、もっとも生活に身近な立場
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04【広報】会社のイメージを左右する「コミュニケーションの専門家」
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06【人事】会社の“人”に関わるすべてを支える企業の「心臓部」
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07【法務・知財】専門知識を活かしてリスクを封じる「守護神」
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08【エンジニア】私たちの社会を形づくる「技術の匠」
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09【デザイナー】企業とユーザーの「架け橋」となる存在
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10【研究・開発】
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11【経営陣】